みしょのねこごや

Diary - 2010年1月

近況とこれから

2010年ですね!!!!新世紀です!!!!!松の内は終わりましたがなんかもうおめでとうございます!!!!!!みしょはここ数ヶ月極めて忙しい日々を送ってきて,ようやく昨日一息ついたところです!!!

というのも,11月はずっと論文を書いていまして,それで12月の初旬にやっと最初の論文のpreprintが完成しました。Lepton Flavor Violation and Cosmological Constraints on R-parity Violationという題名で,簡単に言うと,『R-parityという対称性がボロボロだと宇宙が破滅して幸福が実現しない』ということを言ったものです。人類が死滅します。

そんでその直後の12月4日日本学術振興会の特別研究員制度の採用面接というのがありまして,11月はその面接の準備もしまくってて大変だったわけです。

で,それが終わってから修士論文を大変おぞましい勢いで書いて,1月7日に提出して,やっと今に至っています。年越しは研究室で,まったく正月らしいことをせずに過ごしたので,まだ2010年は来ていないことになっています。だからまだ23歳で,若いです!!!!24歳とか老衰で死ぬので大変悲しい……。。。


ところで,その特別研究員に採用されることが内定しました!!!簡単に言うと『税金の中から毎月20万円を分けてやるから3年間研究して博士号取得しろ』という制度です。大変素晴らしい制度です。

この制度は,他の科学技術予算と同じように,行政刷新会議が昨年行った「事業仕分け」にて

  • 博士養成に関する過去の政策の失敗を繕うための政策。博士養成に関する見直しが必要。
  • 過去の政策のつけであるから少しずつ減らしていくしかない。毎年5%ずつカット。
  • 若手研究者が安定して働き研究できる場所を見つけるための国の政策を若手にこだわらず再構築。
  • 若手研究者の問題は政治の問題でもあるので,十分な見直しが必要。

などと言われて,予算要求の縮減になったはずだったやつです。

でも,そのあとで関係者の皆様が様々な乞食活動を行ったおかげで,予算案では3億円ほど増加して,113.66億円になりました!!!やったねたえちゃん!特別研究員の採用人数が増えたよ!!!! (cf. 平成22年度文部科学省 予算主要事項 (PDF:343KB) : 4600→4736人)


これを大局的にどう考えるかというのは国家政策の問題なので難しいところですが,僕の考えとしては,まず行政機構の側に対しては

  • 仕分けを行ったことは評価できる。
  • ただし急激な変化は国家政策には相応しくない。乞食活動により或る程度の揺り戻しがあったのは適切。
  • 各論で見れば,ポスドク問題が依然として残る中でDC予算を増額したのは理解出来ない。
  • 来年以降はどんどん予算を削っていくべき。

という点を指摘しておきます。概ね評価していますが,特別研究員制度が増額されたことは選挙前のばらまきだとしか思えません。一方で乞食活動をした関係者については

  • 乞食するのは非常に大事なこと。適切な情報発信が必要。
  • 乞食活動をした関係者は無事に予算が確保されたわけだが,その一方で現状の問題をどう解決するかについて考えなければならない責任が生まれた。
  • とりわけ「ポスドク問題」をどう解決するのかなどについて「それは国家戦略局が考えること」などといったバカげた考えを改めねばならない。
  • 同時に,科学の成果を国民に還元してやる義務がある。今後,科技予算を削減することが民意の後ろ盾を得たら,今回のような乞食は通用しない。

などという感想を持っています。同時に国民に対しては

  • 国家財政が先進国で最低の状況になる中,支出の拡大を許して良いのか。選挙前だから予算をばらまく旧態依然とした姿をどう考えるか。
  • 今のばらまきが今後の増税,最悪stagflationになることを理解しているのか。

といった感じです。長期金利は今でこそ安定していますが,海外勢は将来の長期金利の増加を見込んでいるようですし,とりわけ貯蓄率が減少に転じれば長期金利の暴騰が起きる可能性も増します。

総括すると,公共事業などを削減して福祉に回した政策は理解出来るけれども,その一方でヒトに対してお金をばらまいた面は否めず,早めの消費税増税などで財政を立て直さないと日本経済は破滅しかねないのでみんな我慢しようぜ,といったことを考えています。


じゃあ一方で僕はどうするのか,ということですが,予算枠が決まってしまった以上はどうしようもないし,僕が辞退しても他の人にお金が行くだけなので,とりあえずもう3年間は特別研究員として博士課程に在籍し,博士号の取得を目指そうと思っています。同時に現状の科学技術政策の持つ問題点をどう解決していくべきか,あるいは国民への科学技術の成果の還元をどのように為していくべきなのかについて考える義務を負ったと考えます。

博士卒業後のことは何も考えていません。1つの道は研究者としてこの先生もキノコる,もう1つには科技政策を作る方に回る,といった感じでしょうか。以前から公言していたように,特別研究員に採用されなかったら文部科学省の採用面接を受けるつもりでした。昨年,既に国家I種試験に合格していたし,様々な説明会などにもかなり行っていたのです。

まぁ,3年後のことを言うと鬼が笑うし,いいや。とりあえず税金で研究をさせていただけることになったので,ガッチリ成果を出さないとなぁ,と考えています。

友人のゆうこさん有職無給で1日14時間労働をがんばっているのに僕は無職有給になってしまいました!!!!大変ウケるwwwwwwwwwwww。それくらいの勢いで僕もやってみようとおもいます!!!!!!!!!!!!


おまけ。どうして博士課程を中退するつもりだったか。

博士課程に行くと,僕は一人暮らしなので年間240万円かかります。今の貯金額だと1年間しか生き残れません。博士1年間で中退するか,博士号を取得するかというのは,結局「500万円か博士号か」という極めてsimpleなテンビンになりました。

そんで,僕は信濃川よりも幅広い知識と,阿蘇山よりも高度な思考能力を持っているので,別にこの道でなくても十分生きていけます!!!!!!時事にもお酒にも強いし,日本全国をubiquitousにうろつきまわったので,文科省とかに採用されたら十分に実力を生かせるし,IT業界もとても楽しそうだなぁと思ってます!!ドワンゴにコネ就職したいなぁと思ってました!!!!

そんなかんじです!!!!!!

明日は修論のdefenseです!!!!!!

世界の幸福を実現するためきっちり守ってきます!!!!!!!!!!!!!!!!!