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テレビ朝日が Audrey Tang に interview している動画を見た。Intersectionality やら surveillance capitalism やらが自然に出てきたり,outrage の効用を述べていたりと,相変わらず二段階上の知性に基づく発言で面白かった。

同時に興味深かったのが,テレビ朝日の付けている字幕が誤訳だらけなことで,6:23付近の初心者あるある誤訳は措いても,7:20とか10:11とか13:16に関しては,発言と全く異なる,しかも日本語としても意味が通っていない字幕になっている。もちろん日本の mass media の人間は英語も日本語もできない,とはわかっているのだけど,海外の要人の interview にあたってちゃんとした通訳を雇うだけのカネすらないのか,というのはなかなか良い発見だった。


とここまではまあ想定通りなのだけれど,今回はここからがちょっと違った。

こんな字幕じゃ誰も理解できないだろ,と思って YouTube に修正訳を comment したのだけれど,どうやらそれが表示されないのだ。正確に言うと,Misho として logged in してるときには僕の投稿が表示されるけれども,logged in していない環境では僕の投稿は表示されないのだ。つまり,何らかの理由で僕の投稿が隠されていて,さらに「隠されている」という事実すらも見えないような仕組みになっている。Facebook や Google 検索などで,「人によって見ているものが違う」という現象があるのは知っているけれど,一見では個人に最適化されていないように見える comment 欄ですら,見る人に合わせて加工された情報になっていることに驚いた。

さらにもう一段階踏み込んでみると,この「隠蔽」に人間が関わっていない可能性すら考えられる。つまり,機械学習によって「誤訳という単語の存在」あるいは「長文であること」,その他の何らかの問題が自動探知された結果として「自動隠蔽」されているという可能性もある。もっと言えば,機械学習では一般に判断軸が明確でないことを考えると,よくわからないけど機械学習函数の評価値が低かったから自動で隠した,という可能性すらある。いまの技術で十分可能だ。

結局,全ての情報は,僕に届く前に「取捨選択」言い換えれば「検閲」あるいは "surveillance" を経ている。大きな機構によって許可された情報のみが届くような時代がすでに来ていることがわかる。

こういう事前検閲を避けるために,僕は YouTube や Facebook には数多くの account を登録し,複数の端末から使いわけるようにしている。のだけれど,たとえばこれが地理情報に基づいていたら,この事前検閲は回避できなかった。YouTube の comment 欄が,日本からの閲覧,中国からの閲覧,欧州からの閲覧,そのそれぞれによって別のものになっている可能性すらあって,その場合,各国の政体に基づいて(機械学習によって) comment が取捨選択され,たとえば日本にいる人間には重要な情報が届かなくなる。これはもちろん既に独裁国家では起きているけれども,surveillance capitalism も同じ道に走るだろう。

しかもその事前検閲は,運営会社の利益を高めるために自己学習した人工知能によって行われるかもしれない。つまり人間の意思に基づかず,企業の儲けを最大化しようとして人工知能が言論空間を勝手に統制しはじめるかもしれない(技術的に可能なので,すでにしているかもしれない)。

人工知能の "singularity" は今後20〜30年で訪れると言われているけれども,もちろんそれは漸進的なはずだ。とすれば,既に "singularity" は始まっているのだ,と,さっき気付いた。自分の知性だけしか頼みにできなくなる時代が来る。


ちなみにAudrey Tang の interview の修正訳・補訳は以下のとおり。Listening の課題として聞いてみると,テレビ朝日の英語力がよくわかって面白いと思います。

3:00 左翼にも傾かず右翼にも傾かず「上翼」へと進む、それが台湾の未来です。

6:23 SNSも、ほかのコミュニティーと同じで、反社会的な行為だけが起きるなら社会にとっては(トータルでは)マイナスでしょう。

7:20 我々が構築したプロセスは、持病の薬をもらう時に処方箋を更新するプロセスと基本的に同じです。高齢者は持病を持っている人が多いのでこのプロセスになじみがある(ので高齢者にとって使いやすい)のです。

10:11 つまりこれまでは自分を「マイノリティ」だと思っていた人々は、今では、過去に似たような経験をした人とオンラインで出会ってサポートしてもらえます。私も思春期のころ、個人的にこのような体験をして、それによって多くの人々に共感できるようになりました。また、インターセクショナリティによって、ある環境ではマジョリティである人々も、別の環境でマイノリティーであったこと、しかしそこでほかの人にサポートされたこと、を思い出して、マジョリティとして有利な状況だったり特権が与えられた状況の中でもマイノリティのことをサポートできるようになります。

13:16 ほかのテクノロジーと同様、民主主義というテクノロジーにもイノベーションを導入できます。

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