Appartamento の affitto の契約をした。最低 1 年は住まなければいけないという契約なので,最低 1 年間は Padova で暮らすことになった。
生活を始めるための活動を 2 ヶ月間(正確には 1.5 ヶ月だけど)いろいろやってきて,この街ではどうやって生きていけば良いのかというのがだいたい見えてきた。
たとえば前の街 חיפה では,街の人たちはだいたい気分屋でときどき無愛想だけども基本的には信頼してよい,不満があったらちゃんと勢いよく(日本人的には怒った感じで)主張しないと解決しない,郵便は届かないのでコネでなんとかするしかない,という生活だった。
一方この街では,どうやら人間を信頼してはいけないらしい。基本的には,任せてもやってくれないし,平気で嘘をつくし,というかたぶん嘘だとも思っていなくて知らないくせに適当に答えたりする。しかし,よくよく探すと,4 人に 1 人ぐらいの割合で,信頼できそうな人間が見つかる。そういう人を見出すことが,どうやらこの街では必要らしい。
生きる上でもう一つ大事なのは,細かいことを気にしてはいけない,という心構え。たとえば法手続き上は期限の定められているはずの書類も,実際には数日遅れても大丈夫だったりする。というかそもそも,期限が存在することすら知らなかったりする。これでどうやって世の中が回っているのかよく分からない。誰も何も気にしていないからうまく行っているのだろうか。それとも,世の中の 25% の,仕事のできる(というか仕事をする気のある)人たちが全てをうまくやっていってるのだろうか。謎が多い。
東北大学の人たちに研究発表の資料を送らないといけなくて,既に 4 週間ほど待たせている。10 月の始めに注文したはずの computer が未だに届いていないので,というか来月末になるらしいので,そのせいで滞っているのだ。というかそのせいで future collider についての研究を進めることができなくて困っているのだけれど,この国では(研究機関でさえ)だいたいがそんな調子で進むみたいで,もう完全に諦めてしまった。
仕方が無いので Windows の入った laptop を使おうにも,うっかり電源 cable を郵便で送ってしまったので,そして郵便は当然届かないので,というかいまその箱がどこにあるのか誰も知らないので,laptop すら使えない。
仕方が無いので電源 cable(の互換品)を Amazon で注文すると,電流の異なるものが届く。まあこれは ישראל でもそうで,そもそも通販では頼んだものが届くわけがないので,返送して払い戻してまた購入する。と,やっぱり同じものが届く。電流値が違う,と連絡をすると,電流が違っても動くから,と言われる。切りが無いのであきらめて 3.25A のものを使うことにする。そのせいで laptop の寿命が縮まないことを祈るしかない。
そんな感じで 4 週間が過ぎて,結果として資料を送るのが遅れてしまった。まあ Italia なので仕方が無い。
「仕方が無い」とか言ってられるのも,僕がそんなに仕事熱心ではなくて,とりあえず 2 年間 Italia で楽しく生きていけばいいなあと思っているからなんだと思う。もしも,たとえば tenure をどうしても取らなければいけなくてバリバリ仕事をしないといけない,みたいに追い詰められている感じだったら,この環境ではやっていけないように思う。Italia 暮らしを楽しもうと思えば,街には 1 euro の cappucino と patisserie があふれており,osteria に行けば 4 euro の glass wine が 30 種類ぐらい飲めたりするので,いくらでも楽しめそうだ。
いずれにせよ,信頼できる不動産仲介業者と,どうやら信頼できそうな Internet service provider のにいちゃんを見つけて,それから Appartamento の locatore もとても良い人っぽかったので,家と通信はなんとかなりそう。あとは自転車を買って,どこかに行ってしまった小包が見つかって,ついでに ישראל の銀行口座の解約が無事に住んで,それから来月末になるという computer が無事に来月末に届いて,そして 1 月に滞在許可証を受け取れば,やっと新生活の準備が完了する。
ちなみに l'italiano は嫌というほど喋っている。大学で LATINA をやっていた甲斐があった,というのもあるけれど,なにげに英語の etymology が役に立っている。研究所の秘書さんも英語がしゃべれなかったりするし,seminar やその他の案内も(トイレの張り紙も)すべて italiano なので,新しい言語をやるのが好きで無いとやっていけないんじゃないか,と思っている。