みしょのねこごや

Diary - 2021年8月

Olympic (というかよく考えたら Ὀλυμπία なのか?)が終わった。タダでやってくる娯楽情報はよいものであって,費用は日本の皆さんが払ってくれたらしい,ありがたい話である。

もちろん祖国で棄民が行われているというのはあまりうれしい知らせではないが,主権者である国民が決めたのだからしかたがない。今月 COVID で死んでいく数百人のみなさんも,今後一生 long-COVID に悩ませられる数千人のみなさんも,死ぬ前に東京五輪が見られたし幸せに死んでいくのだろう。うらむのであれば,主催した競技者&組織委員のみなさまと,共催した国民のみなさまをうらんでいただきたい。

全体主義の国でこういう行事をやればこうなることがわかっていたはずだ。五輪開催まで日本を離れて生活したことはやはり正解だったし,それができたことは幸運だった。次の国は日本でもいいかもしれないが,臺灣に住んでみたいという気持ちもとても強い。もちろん Magyarország もかなり気に入っているので,これはこれでよい。できれば気温が28℃を超えないでいてくれると嬉しいんだけど……。

Magyarország は金曜日が祝日(建国記念日)で三連休だったので,Budapest 観光をして過ごした。この国は対象者の 75% が COVID-19 に対する予防接種を完了していて,ほぼ COVID 以前の状況に戻っている。つまりごくわずかの人(1%程度,多くは東洋人か店員)を除けば誰も mask をしていないし,普通に出歩いている。COVID 以前と違うのは手指消毒液がところどころに見られることぐらいだ。

木曜日は夜に教会の音楽会 (organ/soprano) に行った。金曜日はまず空軍の展示飛行を見て,それから広場に行って屋台で magyar 料理と国家ケーキ (Országtorta) を食べた。そして Szent István Bazilika の mise を見たあとで,聖右行列を見た。夜は花火大会があったので,大勢の人に交じって市の中心の広場で花火を見てきた。

昨日は国会議事堂に行って「例の王冠」を見てから,Buda 側に行って民俗工芸とか民族料理とか国家ケーキとかを食べた。Citera,cimbalom といった民族楽器の演奏が見られたのがよかったのと,dödölle というよく分からない料理が異常に美味しかったのが収穫だった。Magyarorság にも大阪の概念があるんだろうか。もちろん国家ケーキは言うまでもない。

今日は日曜日なので,bar で beer を飲みながら仕事(日本語原稿の執筆)をして,引き続き bar でこの日記を書いている。天気が良くて良い感じだ。

それにしても COVID はいったいどこに行ったのだろうか……。δ株が少しずつ入り込み始めているらしい,と先週床屋のおばちゃんが言っていたので,これからもう 1 つ波が来るんだろうか。来週から学校が始まるような雰囲気があるので(詳しくは知らない),そうなると予防接種をしていない子供たちを通じて若年層に感染が広がるのかもしれない。実際,先週時点で1日あたりの感染者数が100人を超えたので,ちょっと警戒している。

それでもこの国は決断したようだ。おとといの花火大会は,歴史上もっとも豪華なものだったそうで,70 万人が見に来たらしい。Italia・ישראל などからの観光客も多く見られた。もちろん他の国からも来ているはずで,僕がこの 2 ヶ国から来た人間をだいたい識別できるだけのことだ。そうするとやはり去年と同様に,11月頃を極大とする波が再び来るのではないかという気もするが,しかし予防接種とδ株の影響が全く予測できないのでいつものように「科学的にわからない」という結論に至る。

この国が決断できたのには,おそらく予防接種証明書の配布が(非国民も含め)ほぼ完了しており,3 度目の接種や子供向けの接種にもめどがたっており,つまり必要な対策を機動的に講じることができるという自信の表れなのだろう。

とりあえずは beer が美味しいのでよいということにする。