みしょのねこごや

Diary - 2012年8月

今日も暑い。

暑すぎて寝苦しかったのか,なぜか10時間あまり寝てしまった。やることいっぱいあるのに。。。

暑い中なんとか大学に行く。学食が異常に混んでる。学食は学内者向けなので,初心者にはいろいろ不便である。そのせいで,学外者がいると異常に混雑する。女子高生,券売機の前で悩むの勘弁して欲しい。

研究室に行って ice cream を食べながら雑談のち,研究。Simulation は予想外にうまくいっている。来週月曜日の発表の準備などをする。

髪を切ってもらった。夏だし,北京と臺灣にいくので,またいわゆる very short である。バッサリ。

髪を切ったら涼しくなった。夏ももう終わりだ。


古市さん を見て,『大正大震災』を買った。東日本大震災後に何が起こるのかを歴史から学ぼうとする試み。

今日は上野でデ~~トした後,大学へ。ひたすら来週月曜日の発表の準備。。。。の合間に数値計算の結果について濱口さんらと議論。

あまりにもアレだったので 1 日に ice cream を 4 つ食べてしまうという事例。

夏の学校が終わった

最後の夏の学校が終わった。だいたいすべては D3 なのに来ちゃいました(てへぺろという言葉に象徴されている。

うちの研究室は,もとより夏の学校に消極的である。僕が M1 だったころは,(研究室にお金もなく,自分の旅費も無かったので)僕も参加しなかった。多分研究室の誰もが参加していない。

僕が最初に参加したのは M2 の時で,おそらく,駒場の素粒子論研究室にいる同期 4 人に誘われた?のだと思う。彼はそういう楽しい event がとても好きだ。しかしその彼ですら今年は来ていないので,冒頭の言葉が重く感じられる。そのときは,やたらたくさん修士の学生がいるなぁ,と感じた。彼らは夜になったらただひたすら飲み会で,僕が学部のころにやったようにとてもバカな飲み方をして,参加している女性にひたすら絡んでいた。そして朝になったら,だらだらと起きてきて,きっと彼らにはやや難しすぎるだろう講義(M2 の僕ですら難しく思う内容もあったので,特に M1 の学生には大変だろう。)をひたすら受動的に聴いて(しかしながら飲み会の疲れから途中で drop out して)いた。なるほどこんな研究会であれば,特に M1 で参加するべきではないだろう。大多数の M1 の学生にとっては,おそらく僕が M1 のころ参加していたらそうであったようにただの飲み会のための言い訳に過ぎない。そのように感じた。ところでそのような中で,学生同士で発表し合う『研究会』というのがとても面白かった。普通の研究会発表は,まだ当時の僕にはほとんど理解できなかったけれど,学生同士のものなのでなんとか分かるし質問もしやすい。特に,当時京大の D1 だった M さん・M さんは,研究会での発表も面白くて,さらにその後で飲み会でバカ騒ぎ+物理の議論をしていただいて,とても刺激的だった。優秀な博士の学生というのは,やたら激しい飲みをしつつもちゃんとやることやってるんだなぁ,と感じた。もちろん先に述べた同期 4 人というのはネタに事欠かない楽しい奴らで,彼らのおかげでとても楽しい日程だった。

やはり(僕を含めた大多数の) M1 にとって,夏の学校はあまり意義が無いだろう。(よっぽど優秀な M1 なら別かもしれない。今年,最終日の朝 6 時頃まで飲んでたはずの M1 が,8時半からの講義を寝ずに聞いており,しかもちゃんと理解しているようだったので,とても驚いた。)むしろ,M2 や D1 で参加するのが良い。講義もだいぶ理解できるし,特に専門外の分野の講義はとても勉強になる。研究会での発表も M2 であればちゃんとできるし,そこで質問しあって議論するのは有意義だろう。そしてさらに,僕が当時そうされたように,研究会発表や飲み会を通じて M1 や M2 の学生を inspire できると,なお良いのだろう。

僕は今年は,最後の 3 日間だけ参加した。というか全日程(6 日間)参加したのは D1 のときだけだ。M2 のときは 4 日間,D2 と D3 では 3 日間参加した,と書いてあった。それくらいが体力的にちょうどいい気がする。重力波検出実験と非摂動繰込群の話を聞くのが目的で,ついでに研究会発表をしてきた。幸いにして,総研大の同期 H と,駒場の同期 T が参加していたので,D3 であってもボチではなかった。助かったw。研究会発表も,(ギリギリになったものの)なんとか万全の準備が完了しでき,本番でも成功したので,良かったのではないか。先輩,女の子と絡みに来たわけじゃなかったんですねと言われたのがちょっと面白かった。言い訳をしておくと,親しい知り合いというのが,その同期 2 人以外にはお茶大の M2 の学生 4 人しか居なかったのだ。彼女らは Twitter をやっているので,親しい度がとても高い。さすがに研究室の後輩に絡むのは大人げないので,結果的に彼女らには大変お世話になった気がする。ちなみに研究室の後輩については,ある意味で上司と部下のような関係であるので,Internet 上では(この日記に限らず)あまり言及しないようにしている。そのため,この日記でもほとんど言及していない。

4 年間夏の学校を見てきて,やはり(大多数の) M1 には無意義だ,というのは変わりない。M2 以上にとっても,発表をしなかったり,あるいは講義や研究会をただ聞くだけだったり,あるいは学生同士で物理の議論をしなかったりするような状況では,とても勿体ないと感じる。かなりのお金と,そしてなにより大量の時間を消費しているのだから,よっぽど積極的に行かないとその支出には釣り合わないだろう。参加者のだいたい 7 割はゴミみたいなものである。ただしその中でも優秀な人たちは(先述の M1 のように)夏の学校をとても有効に活用している。それら 1 割程度の学生がいることを考えると,7 割のゴミの犠牲を加味してもなお,夏の学校をやる価値はあるのではないか。そのように感じた 4 年間であった。

1 つ付言しておく。7 割のゴミは,僕にとっては別に無害である。しかし,めかじきさんのチンマン力学によれば,飲み会において男は女に群がる。それを避けるには飲み会自体に参加しないとか,あるいは夏の学校への参加を諦めるしかない。(優秀な)女性はその点で大変だな,と感じた。(ちなみに,Misho et al. が飲み会を観察したところ,1 人の女が 3 ~ 6 人の男に囲まれているという cluster が、女性の数だけ存在していた。いわゆる「飲み会の晴れ上がり」であり,チンマン力学の予言を実証する興味深い現象である。)

昨日の僕の発表の最後に『夏のおわり』という言葉を使った。僕はもう夏の学校に行くことは無いし,あそこに参加している学生の 8 割とはもう会う機会はないだろう。彼らと本当の研究会で会うことを楽しみにしているし,あるいは彼らが来年以降も,僕あるいは先述の H ら同期がそうされてきて,そしてそうしてきたように,来年以降の夏の学校で後輩を inspire してくれることを願っている。

今日は立秋。秋が始まった。

追伸。今回の研究発表slides はもう閲覧可能です。また,2 年前に僕が書いた『Presentation について』という文章は,口頭発表の上での参考になると思います。

北京第一天

今日から東亜各国へ出張。まずは成田から北京へ。

日暮里からの Skyliner がいきなり満席で 20 分遅れるという大変な事案。そして予想通り空港では係員に付き添われて run and run。。。お世話になりました。手荷物検査場が異常に込んでたので,多分あのままでは間に合わなかった。20 分早かったとしても怪しかったのでは。。。恐ろしい。

偶然野尻さんと同じ飛行機だったので,taxi に乗せてもらって北京大学へ。Little higgs の講義を聞いて,ようやく little higgs について理解した。いきなりの収穫。。。

その後は,Prof. Kumer, Prof. Chacko, Prof. Tata, さらに野尻教授,という異常に高等な人たちと一緒に夕食に行くことに。火锅を食べに行こうとしたのだけれど,完璧に道に迷う。誰も道が分からないので,通行人に聞きまくることに。普通话練習しといて良かった。『对不起,请问〇〇在哪儿?』と聞きまくる……けどなかなか分からない。だいぶ疲れて到達した。

しかしそれからも大変だった。誰も火锅の食べ方を知らなかったし,誰も普通话を『聞き取れない』ので,注文が出来ない。お店の人に多大なる迷惑をおかけしてしまった……。せめて食べ方を調べてから行くべきだった。街で Internet が使えないのはこうも不便なのか。

しかし食事はおいしかった。何もかも美味しかった。やばい。


ところで,これまで何となく「中国の学生はみんな積極的に自己主張するから侮れない。特に北京大学の学生ともなれば国家の威信を背にしているから自信たっぷりでがんがん攻めてくるだろう。」と思ってた。中国から東京大学に来ている留学生が,猛烈な早さで(中国語で)まくしたてたり,あるいは流暢な英語でぺらぺら自己主張したりしているのを見てきたからだと思う。でも実際に Pre-SUSY(学生向けの基礎的な講義)に参加してみて,そんなことは全然ないのだと知った。講義が英語で行われていることもあるのか,みんなシーンとしており,ちゃんと聞いているのかも怪しい感じだった。日本人と似たようなものだ。

これなら勝てる気がした。北京大学,たいしたことない。

北京第二天

今日は比較的よくわかっている(というかよくわかってないとまずい)内容の講義。ちょこちょこ落ち穂拾いをする。明日行われる後半の講義が楽しみだ。いつも launchpad の開発 site 上でお世話になっている Johan Alwall が講義をしているので,明日声をかけてみようと思う。

ともかく講義の負担があまりなかったので,今日は諸処の雑務をすませたり,北京生活に適応したりした。とりあえず銀行で人民元を購入。いきなり警備員に阻まれるも『我想买 Chinese Yuan』で切り抜ける。北京空港 (JPN/CHN=14.6) よりも 15% 程度安く (JPN/CHN=12.7) 買えたので,平日であれば市中の大銀行で両替した方が良い。北京大学の前に巨大な銀行があるのでそこでやればいいのではないか。

夕食は,北京にいる友人 (PD) が時々行くという饭店へ。相変わらず店員との意思疎通に苦労するが,English と普通话と身振り手振り(と恥を恐れず迷惑をかけることを顧みない大胆不敵に生きる覚悟)でなんとかなった。茄子が異常に美味しかった!!!!超美味しかった!!!!!!!!!!!!!!美味しかった!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!そして 2 人で 1270 円〜〜〜元安,很好!

その後,北京の Starbucks へ。Green tea Frappeccino という文字を見たので,『中国で抹茶??』と思って注文してみる。日本の抹茶フラペと同じ味だったけど,クリームがなんか違った。低脂肪なのか,製法の違いか。。。?今度は北京にしか無いやつを(拼音辞書を買ってから)頼んでみようと思う。そして Starbucks で cafe 物理。日独仏に続き4カ国目の Cafe 物理です,

それから,いくつか欲しいものがあったので買い物に行く。北京の supermarket の system を学んだ。茶の店に立ち寄ったら贈答用の良いやつを薦められたのだけれど,僕が北京で飲むやつなので遠慮。さすがに300包はつらい。茉莉花茶を買った。 5 元。あれだけしてもらって 5 元しか払わないの,申し訳ない。。。Supermarket で買えばよかったんだろうなぁ。まぁ仕方が無い。

そのあと酒店へ戻る途中の暗い道で,物欲しそうな老人がこっちを見て目の前に立ちはだかってきたので華麗に方向転換して回避。さらに酒店の目の前で,巨大な白い箱形の車から突然おりてきた人に声をかけられた。こういう時の為に練習しておいた『我不明白你说什么』を高速で発音して,立ち去る。

やはりこのあたりは大学街,学生街ということもあって全然安全だ。歌舞伎町の方が怖いし,西成の方がヤバい。なにより Paris に比べれば全然マシである。。。

『茶包』cha2bao1『苹果』ping2guo3『茉莉花茶』mo4li4hua1cha2 などの単語を覚えた。

北京第三天

今日は Pre-SUSY の最終日。講義はだいたい知っている話だったけれど,野尻さんがいつもの調子で LHC の解析に対してアレコレいっていたのが面白かった。

Johan Alwall の講義を聴いていて,僕はどうやら matching について勘違いしていたらしいということに気づいた。先日の論文が間違ってたんじゃないかと一瞬怖くなるも,よく考えたら没问题だったので安心した。怖い怖い。。。

休憩時間に Johan Alwall に話しかけた。Web 上での交流で名前を覚えてくれていたようだ。そのあと,MadGraph で気になっていたことを尋ねる。納得のいく答えが帰ってきたけど,しかし。。。。どっちがいいのかなぁ。難しい問題である。

昼休みに味千拉面に食べにいった。最初に行ったところが改装中だったので別の支店に行く。(日本風の焼き)餃子が美味しかった。というか餃子はおいしいのだ。ラーメン自体は,よく田舎にあるあまり美味しくない豚骨ラーメン,という感じ。日本人でも大丈夫な味だった。吉野家とかもあったけれど,日本と同じくらいの値段だったので異常に高い。。。完全に富裕層の為なんだろう。しかしそれにしてはにぎわっていた。富裕層ですら多いのか。。。

Lectures が全部おわったあとは,阿部さんと书店に行く。中国は(なぜか)本が安いので,いくつか買った。汉日/日汉の小さな词典を38元(600円ぐらい?)で買ったのだけれど,これが大正解だった。拼音がちゃんと書いており使いやすい。《汉语の文字を読む→意味を想像する→それを日汉で引く→拼音がわかる!》ということが出来るので,非常に重宝している。

そのあと魚料理屋に行ったのだけれど,むちゃくちゃでかい魚が出てきて,食べきれなかった。でかいだけあって,会計も高かった。料金体系を勘違いしていたのが原因だけれど,まぁそれでも1人100元だったので。。。味は本当に美味しかったので,まぁ物価安だしいいかなぁ。あんだけ食べたしなぁ。それにしても,一党独裁体制,非常にありがたい。

今日は日曜日なので研究会はお休み。というわけで意気揚々と北京観光に……行くつもりが,疲れていたのか寝坊。10 時頃起きて,ちょっと気になってる仕事を進めて,12 時ごろにダラダラと出かける。

暑そうなので,天安门を見たあとで天安门そばの博物館に行こう,と考えた。天安门までは電車で 1 時間ほど。天安门西站で梨の飲み物(うまい!)を買おうとしたらまちがって Pepsi を買ってしまい,さらにそれを開けたら泡が吹き出て手がベトベトになってしまい,いきなり気が滅入る。なんとか天安门の西側にある洗面所で手を洗って問題解決。

天安门,でかい。ただ,近代建築のような感じで,あまり歴史を感じない。と思って調べたら,一応 1651 年にたてられたらしい。ちゃんと塗装が繰り返されているから歴史を感じないのか,それともそれ以外の建築物が歴史(というか使用感?)に満ちているのか……。周りのみなが中国の国旗を持っているので,羨ましかった。買いたい。毛沢東さんが飾られてあるのだけど,僕は中国の近代史を恥ずかしながら全く知らないので,彼が何をしたのかよくわからない。建国の父,ということしか知らないのだ。はー。古代なら分かるんだけど。。。

とりあえず中に入るべ,ということで中に入る。と,至る所に物売りが。氷菓子や飲み物,お土産物などを売っていた。そして旗!!!!!!!!欲しい!!!!!!!!!!しかしいかにも欲しそうにするとぼったくられるかもしれない,と思い,しばらく遠巻きに眺める。中国人が 3 元で買っていたのを見て,3 元だけ握りしめていく。……あっさり 3 元で買えた。ちょっとうれしい。

しばらく中をうろうろする。暑いので氷菓子を食べたくなる。炎天下で売られている氷菓子,だいじょうぶなのか……。。。と心配しつつ,『今日は色々食べまくろう,僕がおなかを壊したら僕の負け,壊さなかったら北京の負け。』というよくわからない決心をする。もちろん勝算はある。消化器系だけは日頃から鍛えているはずなので,たぶんちゃんと見極めれば……。そして勝負に出る。なんと 1 元。めちゃくちゃ固かった。道理でこの炎天下でも解けないわけだ。。。。しかしうまかった。これが 1 元とは。。。。

そしておなかがすいた。盒饭が売られていた。ちゃんと厨房がそばに有るし,たぶん公式?の食事処みたいだし,中国人もみんな食べてるし,大丈夫だろう,と引き続き勝負に出る。中華料理 3 品+白飯で 15 元。すばらしいなー。。。。と思ったら,卵の殻が思いっきり入っていた……。もちろんこの程度のことを気にしてはいけない。ここは中国なのだし,第一もし日本でこのようなことが有ったとしても,気にしないだけの余裕を持っておきたい。それにしてもこの殻はデカい。。。ぜったい気づいてただろ。しかし気にしてはいけない……。

そのあと,楼門に上ろうと思って券を買う。上ろうとしたら,係員に止められる。どうやら鞄はどこかに預けないと行けないらしい。しかしその預けるところに長蛇の列。なかなか進まない……。さらにここで預けたら,またそれを回収しなければ行けない訳で,しかしもし回収し損なったら大変なことになる……。だいぶ逡巡したあげく,あきらめることに。券 (5 元) は無駄になってしまったが,中国観光の際は鞄を持っていってはいけないということを学んだ。(ただし買い物のときには袋はもらえないので,買い物したときのためにいわゆるエコバッグを持っていくのが良いのだろう。)

そして天安门广场へ。国旗がはためいている。そして国旗の脇にいる人がめちゃくちゃかっこいい。軍服のようなのを来て,微動だにせず,完全に停止している。『中国武警』というらしい。どうやら,この武警もふくめて国旗,ということのようだ。武警は国旗の脇以外にも広場の色々なところに立っているのだけど,みんな背筋をピンとして直立不動。しかしやはり国旗の脇に居る人は別格のようで,普通の武警の直立不動っぷりに輪をかけて直立不動であった。何時間ぐらいあぁしているんだろう……。むしろあれは人間なのか……。ちなみにそれに引き換え,普通の警察(公安)はのんきにしていた。だらだらと普通の中国人とおしゃべりしていた。

しばらく中国武警の写真を撮った後,そのそばにある博物館(中国国家博物馆)へ。ここでも鞄を持っていたために入場に時間がかかる。やっぱり鞄を持ってきては行けないのだ。。。。

入場して展示を一通り見る。常設展はどうやら 2 つ。この地にあった王朝(元とかも含む)の歴史(大陸通史?)と,アヘン戦争以降の中国近代史。

大陸通史の方は,世界史の講義だとか甲骨文字の講義とか中国神話の本で学んだことがいろいろ出てきて楽しかった。鏡の裏側がまだまだキラキラしていたり,食器の底に(講義で習った通り)漢字が書かれてあったり。まぁ日本でも見られるのだけど,しかしやはり本場で見ると気分が違う。ところで,金とか元とかって中国民族とは全く関係ないはずなのだけど,彼らはそれら王朝のことをどう考えているんだろう。日本だと,縄文時代からずっと『日本民族の国』な訳だけど,中国だとそうではない。彼らの感覚が知りたかったのだが,語学力も時間も余裕もなかったせいで,よくわからなかった。

中国近代史の方はほとんど見る時間が無かったが,とりあえず『Great Britain を始めとする諸国家から侵略されて,法外な賠償金を請求されて(日清戦争を含む),辛亥革命して,抗日戦争して,共産国家を樹立して,それ以降生産がどんどん増えてきて発展してますよ,宇宙にも行きましたよ,新幹線も出来ましたよ,すげえ!!!!』という話だった。もちろん(入場無料の)国家博物館なので,国の宣伝であることは当たり前なのだけれど。それにしても,とにかく時間が無かったのが残念だった。普通に中華民国とかは出てきて,しかし(四五,六四ともに)天安门事件については触れられていなかったし,文化大革命の記述も(ちょっと探しただけでは)見つからなかった。彼らはこれらをどう考えているんだろう……。もちろん天安门事件も文化大革命も,歴史としては(その存在については)中国指導部も認めている話なのだから,書かれてあってもおかしくないし,特に文化大革命は毛沢東・林彪の重大な業績な訳で,毛沢東をたたえるの一部として書かれてもおかしくないはずなんだけど……。とにかく時間と語学力と,そしてそもそも基礎知識が足りないのが残念だった。知識不足,とても悲しい。

博物館が 5 時で閉館したので,とりあえず東に向かう。と,突然目の前に大繁華街が!!王府井というところらしい。日本で言うところの銀座みたいな感じ。楽しそうなのでしばらくうろうろする。

と,中国人の行列を見つける。花茶冰激凌というのが売られてあって,しかもなんと 6 元!!というわけでソッコー並ぶ。並んでいる間に,昨日買った日汉辞書で発音を調べる。そして注文!『我想买花茶冰激凌。』!!!……と言ったつもりが,なぜか出てきたのは『抹茶冰激凌』……。うーん。何が悪かったのか。……よく見ると,『花(hua1)』は 1 声。ところが僕は 3 声で発音してしまった気がする。そのせいで,『抹 (mo3)』と勘違いされていたらしい。教訓:四声を大事に,発言は単純に。夕食後に再挑戦したときには,simple に『一个花茶。』そしたらうまくいきました!

その後もしばらくうろうろする。お茶の店でお土産を買ったり,書店で立ち読みをしたり。中国の国家公務員の試験対策本とか,法律解説とかをパラパラと見たり,McDonalds に入ろうとして異常な混雑だった(そして高かった!)のであきらめたり,鉄観音のお茶をかったり。

と,道行く人々がヤシの実(?)に straw を刺した「アレ」を飲んでいるのを見かける。子供の頃,図鑑で「ヤシの実の中には juice が入っており,うまい」という記述を読んでから,ずっと試してみたかったアレである。どこに売っているのか……と,人の流れを上流にさかのぼってみると,なんと屋台街を発見!すばらしい!!!というわけで屋台街に侵入。みしょの胃 v.s. 北京,いよいよ本番。

しかし売られているものがなかなかグロい。サソリのような何かだとか,虫のような何かだとか。肉も売られていたが,何の肉なのかわからないし,ボッタクられるかもしれない。虫も食べてみたいのだけれど,こういうものは複数人で行ってネタとして食べるのがいいと判断して,それまで取っておくことにした。若い女の子(もちろんかわいい)が食べていたので,変な味ではないと思うんだけどな。

いろいろ悩んだあげく,餃子のようなものが売られている屋台で,餃子を頼む。値段が分からないけど,多分10元ぐらいだろう。と,なぜか 5 個入れられる。多い!というも聞き入れてもらえず,結局全部で 50 元だか 100 元だかを請求される。しかしここで負けてはならない。ようは気合いが肝心なわけで,ひたすら中国語と英語でまくしたてる。しかしどうやら 5 個というのはもう覆らないようだ。そこで,40 元を渡して様子をみる。まだ足りないらしい。でも『我说了很多!!! I have said that too many!! 』と,合ってるんだか合ってないんだかよくわからないけど,とにかく繰り返す。そしたらどうやら根負けしてくれたらしく,「あっちいけ」と追い払われた。5個で40元なら,まぁ仕方が無いかな。

そもそも,ボッタクられるのは覚悟している。普通の飲食店でも,料金のしくみが理解できないので,いくらなのかは会計の時まで分からない。実際,60元ぐらいだと思ってたところが100元だったこともあった。よく見ると,別にボッタクってるわけじゃなくて,明朗会計だったのだけれど……仕組みが肝心である。どうがんばっても意思疎通は不可能だ,ということを理解しているので,最後は日本円の力でなんとかしよう,と考えることにしている。屋台でも『1 個いくらですか?』と聞けばよかったのだけれど,そうしたところで相手の返答を聞き取れないことは確実なので仕方が無い。値段が書かれていないのは,そもそも相手によって値段を変えること前提なのかもしれないし。日本円,すばらしい。

そして,ヤシの実(15元)を買って飲む。甘いけど,冷たくないのであまり美味しくない……。うーむ。まぁ気分の問題である。

それから,『北京古观象台』というのを目指して,とりあえずさらに東へ向かう。めちゃくちゃ遠い……。北京の大きさをなめていた。地図の上ではちょっとなんだけどな。なんとか到着して,「おー,現象台だ〜。天文観測器具だ〜。」と,よくわからない感想を抱く。昼間だったら観覧できたのだろうけど,しかしそこまでする必要もないかな。どうせ基礎知識ないし……。

ということで,古观象台のすぐそばにあった駅から hotel へ戻る。途中で道を間違えたり,パンを買うだけなのになぜかむちゃくちゃ苦労したりしたけど,まぁともかく一日はおしまい。そのあと,見る人が見れば洗濯と呼ぶかもしれない行為をして,寝ました。よい一日。明日からは研究会本番。がんばろう。

北京第五・六天

13日と14日は普通に研究会に出て,北京烤鴨を食べたり茄子を食べたりしました。おわり。

というか,このあたりで日本から「計算結果が合わない」という報告が届いて,その原因究明に四苦八苦していたのであまり余裕が無かった。。。夜も遅くまで計算したり。

一般に研究会は,講演を聴く+知人を増やす+知り合いと交流する,という 3 つの目的があって,ただでさえ忙しいので,そこに仕事を入れるとにっちもさっちも行かなくなる。……ということは知っているのだけれど,なかなか難しい。

北京第七天

研究会 3 日目……なのだけど,昨晩遅くまで起きて計算してたせいで起きられず,気づいたらお昼。しかも午後からは excursion で万里长城。いったい何をしにきたんだ,という感が高まる。研究会でいったん仕事をしはじめると良くない。

まぁ仕方が無いので(?)昼ご飯を食べて,万里长城(八达岭)へ。万里长城は特筆すべきこと無し。基本的には尾根線に沿って城壁が築かれていて,城壁へと向かってくる敵に対してその城壁の上から攻撃できるようになっていた。

僕らの着いた八达岭は,一番交通の便が良いから一番観光客が多いところで,尾根の切れ目に位置している。そこからの尾根線(つまり急斜面)を少し上って下りた。もう少し上り下りが少なくて淡々と続くものだと思っていたんだけど,(尾根の切れ目に位置していたためか)急斜面で,長城という感じはしなかった。今度は別のところから長城感を感じたい。

そして北京に戻って,また火锅を食べる。そのあと hotel の bar でかき氷を食べていたら,野尻さんが大勢の外国人を連れてきてくれる。知り合いになっておしゃべりする。そのうちの 1 人が,今朝の講演者だったのでとても申し訳ない感でいっぱいだったのだけれど,というわけでしばらくおしゃべりしたあと「今日みたいに寝坊しないように早く寝ないと……(冗談)」と言って,結局 11 時頃部屋に戻る。

そのあと(やっぱり)2時間ほど仕事して,(結局)3 時に就寝した。早く寝る気はあるんだけどなぁ。研究をあきらめるか,自分の時間をむりやり確保するかしないとダメだな。(とこれまでに何度も思っているのだけど……。)