| 歴史学一般 | |
|---|---|
| 新版 歴史のための弁明 -歴史家の仕事ー | Marc Bloch |
| 西洋の没落 - 第1巻 形態と現実と | Oswald Spengler |
| 銃・病原菌・鉄〈上巻〉―1万3000年にわたる人類史の謎 | ジャレド ダイアモンド |
| 哲学 | |
| ムーミンの哲学 | 瀬戸一夫 |
| 文学 | |
| グリム童話―その隠されたメッセージ | Maria Tatar |
| 言語学 | |
| 第一・第二言語における日本語名詞修飾節の習得過程 | 大関 浩美 |
| ラテン語の世界―ローマが残した無限の遺産 | 小林 標 |
| 紀行・伝記 | |
| ほかほかのパン―物理学者のいた街〈2〉 | 太田 浩一 |
| その他 | |
| Cahier Sauvage (1) --- 人類最古の哲学 | 中沢 新一 |
| Cahier Sauvage (2) --- 熊から王へ | 中沢 新一 |
| イスラームを学ぶ人のために | 山内昌之,大塚和夫 |
| 四書五経入門―中国思想の形成と展開 | 竹内 照夫 |
| 人類は「宗教」に勝てるか ― 一神教文明の終焉 | 町田 宗鳳 |
| 生と死の考古学―縄文時代の死生観 | 山田 康弘 |
| 日本の神話・伝説を読む―声から文字へ | 佐佐木 隆 |
歴史学一般
新版 歴史のための弁明 -歴史家の仕事ー / Marc Bloch
岩波書店, 2004年
「歴史学に何の意味があるのか」を述べた本。最近の,沖縄集団自決に関する教科書検定問題を鑑みて,60年前のことですらこのように(思想的な理由で)揺らいでしまう歴史学とは何か,という疑問に対して解を与えてくれるのではないかと期待している。或いは素粒子物理学や数学にも同様の疑問が生じうることもあって。
今読んでるとこ。
2007年10月に読んでいる
2007/11/10 15:51:53
東京大学駒場図書館
哲学
ムーミンの哲学 / 瀬戸一夫
勁草書房, 2002年
哲学が分かる本……ではなく,「哲学によって何が分かるか」が分かる本。
Mumin童話を題材にして,それに哲学を作用させることによってどのようなことを発見できるか,という主題。哲学上重要な諸概念を上手に童話と関連付けて説明している。
Mumin童話は大好きだったので,とても楽しく読むことが出来た。Muminが好きな人,哲学に3mmぐらい興味がある人にはとてもオススメの一冊。
読了。2008年01月。
2008/01/14 03:02:21
東京大学総合図書館
文学
グリム童話―その隠されたメッセージ / Maria Tatar
新曜社, 1990年
「原典を読む」で,Grimmの"Kinder- und Hausmärchen"を読んだときのterm paperの参考図書として読んだ。
KHMの成立過程,およびKHMのそれぞれの話の中のmotifについてよく語られている。
あと,付録として初版と第2版の序文(和訳)があって,非常に役に立った。
読了。2008年8月。
2008/08/28 06:39:28
東京大学総合図書館
言語学
第一・第二言語における日本語名詞修飾節の習得過程 / 大関 浩美
くろしお出版, 2008年
駒場図書館をうろうろしていたら見つけた。なんか面白そうだなぁと思って,おおざっぱに読んでみた。
内容は,日本語の名詞修飾説,つまり英語で言うところの関係詞節を,日本の幼児だとか日本語学習者だとかはどのようにして理解しているのか,という話。実際の幼児の発語を全部記録したり,或いは日本語学習者に対して問題を解かせて調査したりしている。
僕みたいな理系から見れば「そんなの,もう少し脳科学が発達すれば,脳に電極刺してすぐに分かるようになるよ」と言いたくなる。でも,少なくとも今の脳科学はそこまで発達していないし,これらの研究は日本語を勉強する人々の直接の助けとなるし,また脳科学が発達してもその結果は当然これらの結果と対照させて理解されねばならないだろうから,(なかなか地道で曖昧模糊な部分を含む仕事だけれども)意義深いものなのだ。
内容はかなり面白かった。自分の持っている日本語の理解とはちょっと違った部分があったりして,あと子供たちの誤発語がやっぱり日本語学習者のする誤りと似ていたりして,興味深いものだった。
自分がやる気は全く起きないけど,全く違う分野の話を見てみるのも良い息抜きになる。。
ざっと読了。2009年2月。
2009/02/12 06:49:09
東京大学駒場図書館
ラテン語の世界―ローマが残した無限の遺産 / 小林 標
中央公論新社, 2006年
東大生協で見かけて面白そうだったので。
本書はLINGVA LATINA,つまりラテン語の本であるが,語学書ではない。ラテン語学に始まり,ラテン語(或いはIMPERIVM ROMANVM)の歴史,ラテン語で書かれた文学あるいはラテン語を書いた文学者について,など,ラテン語の周辺のことが広く書かれている。内容も面白いが,なおかつ非常にわかりやすく書かれており,すいすいと読めた。
特に英語を中心とした諸言語の諸単語の語源については非常に興味深く,まさに著者の印欧諸語の豊富な知識の賜物である。英独仏における諸単語の違いの理由なども興味深い。"pay"と"piece"と"pact"が共に"PAX"に由来したり,"female"が"FEMINA"からなのに"male"が"MAS"由来で『マッチョ』と同源だったり,なんて全く気づかなかった。
しばらくLINGVA LATINAには触れていなかったのだけれど,また勉強したくなってきた。
読了。2009年8月。帰省する電車の中,或いは大分市。
2009/08/09 10:09:51
東京大学総合図書館
紀行・伝記
ほかほかのパン―物理学者のいた街〈2〉 / 太田 浩一
東京大学出版会, 2008年
日本経済新聞2008年12月28日書評欄より。竹内薫さんの紹介。
東京大学の駒場campusで数年前まで教授をやっていた,例の太田浩一さんの本。太田さんは見た感じはヤバい感じの物理学者なのだけれど,実は物理学だけじゃなくて科学史にも詳しかったり,そして科学者たちの足跡をたどっていろいろなところを旅したりしてそれをこうやって紀行文としてまとめてたりする,かなり僕から見ると魅力的な人なのです。
この本は,20人ほどの物理学者(etc.)について書いた本。Episodesをまとめた伝記でもあり,同時に彼らの旧居や墓碑を追い求めた紀行文でもある。
僕がなじみ深い人(HeavisideとかNoetherとか)の話はとても面白かったし,同時によく知らない人(DieselとかCondorcetとか)の話はつまらなかった。読む人を選ぶ本だなぁ。
出てきた人たちが割と破滅的な生き方をしているのにとても感銘して,僕ももっともっと破滅的に生きなきゃなぁ,と強く感じました。Hamiltonみたいな破滅的な恋愛をしてLangevinのように破滅的な生活をしてTuring同様に破滅的に死にたいですね。
このseriesはもう2冊が既刊のようなので,それらもまた読んでみたいです。
読了。2010年3月。帰省の列車の中で。
2010/03/19 16:48:45
東京大学総合図書館
その他
Cahier Sauvage (1) --- 人類最古の哲学 / 中沢 新一
講談社, 2002年
こういう哲学系の本を読んだのはこれが初めて。とても読みやすい本だった。ありきたりなreviewならもう数多く出てるので,僕らしいreviewを行ってみよう。
神話は第一次形而上学革命により宗教に代わられ,宗教は第二次形而上学革命により科学に代わられた。宗教は神話を抑圧し,科学は宗教を否定した。
例えば,次のような神話が紹介されている。「最初の男は創造神によりつくられ,童貞だったがいつもpenisが勃起していた。最初の女はpenisを柔らかくする方法を教えたが,その結果創造神は怒り,人間は,子供を作ることができる代わりに死ぬようになった。」このような話を信じる者は,科学に洗脳された人々の中にはいないだろう。だが,死は有性生殖の結果である,という考え方は進化学における主流である。当時の人々はこのことを知っていたのか?
ところで,次の話はどうだろうか。「我々がものを見る,ということは,実はその物質から光子というつぶつぶが飛んできていて,それが目に入って化学反応を起こして電気信号に変化しているということなのだ。我々の脳は電気的な活動をしているに過ぎないのだ。」おそらく科学に洗脳された人々には理解できるのかもしれないが,神話の時代の人々にとっては全く素っ頓狂な話であろう。しかしこれもまだ簡単な方であり,現代物理学では「物質はそこに存在しているのではなく,『ある位置に存在する確率』としてのみ定義される。」みたいな話が当然のように出てくる。
神話は「世界を合理的に説明する試み」である。そう考えると,科学と神話は実は同じ立場に立っているのかもしれない。そして将来我々の科学は,今我々が神話に対して持っているのと似たようなimageで語られることになる。
この本は僕にとって,自分のすがっている物理学を相対化する試みである。物理の中から,物理を客観視するのは欲張り?いやいや,きっとそれで見えることは多い。
読了。2006年10月。
2007/09/04 01:17:40
東京大学総合図書館
Cahier Sauvage (2) --- 熊から王へ / 中沢 新一
講談社, 2002年
Cahier Sauvageの第2話。第2話では,神話の立場から社会学を読み解いている。神話から科学を見ようとする僕には若干退屈であったが,社会学として見れば非常に面白い。その道の人には堪らないことだろう。
ところで,中沢はこの本の中で(序章),先の911事件を,野蛮に対する報復,或いは非対称性への報復である,としている。(もちろん911事件自体も野蛮であるが。)これは実に興味深い記述である。できることならこれについて色々と考えたかった。しかし残念ながら僕にはそれを考えるだけの知識がない。将来知識を得てからもういちど考えるために,ここに書き残しておこう。
そういえば読んでいる間に,熊とか狂牛病とか,scientificな話と関連付けられた面白いことを考えついたのだが,残念ながら忘れてしまった。次からはメモするようにしよう……。
備忘:神話は権力の集中を禁止していたのか?それともそういう発想がなかっただけなのか?→しばらく寝かせてから再読しよう。こういう類の本はそれを求めてる。
読了。2006年10月。
2007/09/17 00:51:22
東京大学総合図書館
四書五経入門―中国思想の形成と展開 / 竹内 照夫
平凡社, 2000年
四書五経を勉強して科挙に受かれば官吏になれる!!!と聞いて読んでます。
* ゚・*:.。.:*・゜+ d(*´∀`)b うそだよ +.:*・゜゚・*:. *。
よんでます。2008年6月。
2008/06/15 11:30:40
所有
人類は「宗教」に勝てるか ― 一神教文明の終焉 / 町田 宗鳳
日本放送出版協会, 2007年
小飼さんのとこより。
冒頭で著者は人類最大の敵は何か。
と問い,他ならぬ「宗教」こそが,人類最大の敵だと考えている。
と答える。本書は,宗教,とりわけ一神教がどうして「人類最大の敵」と言えるのか,そして一神教をどのように克服し,その代わりとしてどのような精神的基盤を持つべきなのかについて述べた本である。
著者はまず,現代社会が一神教を基盤としているためにどのような問題を抱えているのかを述べる。この部分は本書の中で最も素晴らしい部分である。特に
また,著者は現代社会がアメリカ教
に毒されている,すなわち現代社会における価値だとか進歩だとかがUnited Statesから広がったある種の一元主義により語られている,という現状についても批判的に考察している。
そして,一神教に因る諸問題を克服するため,多神教の持つ自己否定を一神教に取り込むことによって一神教における善と悪とを合一して止揚し,〈愛〉
に基づく無神教
という新たな枠組みを構築すべきである,と説く。神を自らの中に取り込んだり,或いは具体的現象が普遍的真理と同一であることを理解する,ということである。
僕は子供の頃からずっと,自己の外にある「他の何か」に依存する,ということに違和感を覚えていた。一神教は勿論,仏教だとか「お墓参り」にも嫌悪感を抱いていた。最近はCahier Sauvageに影響されて,自然崇拝を基調とする多神教だとか,あるいは神道に接近し,お墓参りをそれらによって理解したり,或いはこの時空間への畏敬の念を抱いたりしていた。であるから,著者の話はとても受け入れやすく,また著者の主張に全面的に同意する。Cahier Sauvageで中沢は,第三次形而上学的革命が一神教の開いた地平を科学的思考によって変革することによって
もたらされると述べているが,それよりもこちらの方が,中沢の所謂「第三次形而上学的革命」を正しく記述しているだろう。
しかし本書がゲンミツであるか,すなわち他の様々な主張に対して公正かつ論理的に反駁できているか,という点については若干の疑問がある。例えば著者は一神教の中にも多神教的要素は数多く埋め込まれている
ことの具体例として,「創世記」の中では,神はなぜか自分のことを複数で呼んでいる。
と述べている。しかしこの部分については当然のことながらあのすばらしく緻密な「聖書学」において,「三位一体論における複数形」として議論され,少なくとも彼らの中では正当化されている。或いは著者が〈愛〉の具体例として挙げているfair tradeについての批判の中にも,〈愛〉の文脈に照らし合わせて妥当な批判が見あたる。あまり宗教学などの文系学問に明るくない僕でもこのようなアラが見つかるので,この本を以て一神教主義者を説得することは出来ないであろう。
むしろ僕は,この本は「生き方指南書」である,と見なす。例えば,冒頭での人類最大の敵は何か。
において,著者は次のように述べる。
もう少し倫理的なものの考え方をする人なら,人間の欲望こそが人類の敵だと答えるかもしれない。(中略)かといって,まったく欲望がない人生など,果たして生き甲斐があるのだろうか。
われわれは欲望があるがゆえに苦しみもするが,それゆえに努力もし,向上もする。五官の欲も満たされないことには,肉体をもって生きている意味もなくなる。無欲至上主義なら,早くホトケになって,仏壇に納まったほうがいい。
僕はこの著者の講釈に,心を貫かれるような衝撃を受けた。本書には,この他にも様々な「如何に生きるべきか」という,おそらく著者の豊富な宗教的知識に裏打ちされた生と死への理解に基づく指南が含まれている。
死や生の意味などは,おそらく誰しも一度は考えるところであろうが,その理解を深めるための一助として,僕はこの本を推奨する。おそらく,宗教も本質的にはそのような「生の拠り所」としての意味があるのであろうが,その宗教を内包し,あるいは止揚した結果としての本書は,特に日本人にとってはとても有用な「心の聖典」となるであろう。
もちろんその聖典は,自分の中に取り込み止揚された後は,確実に破棄されなければならないのである。
読了。2008年1月。
2009/01/21 00:52:21
東京大学駒場図書館
生と死の考古学―縄文時代の死生観 / 山田 康弘
東洋書店, 2008年
詳しくは後で書く。
「過去の文化,事象を一定のものの見方によって再構成し,叙述することこそ歴史なのだ」
2009/02/23 15:54:03
日本の神話・伝説を読む―声から文字へ / 佐佐木 隆
岩波書店, 2007年
某君の本棚より。
日本固有の伝承(主に上代神話)についての入門書。特に音韻論を中心としている。
物語というのは大体において口承のものである。以前に僕がGrimm Märchenについて考えた時にも述べたように,Grimm童話などは19世紀までずっと口伝されたものを書物に「固定」したものであるし,北欧神話の固定も13世紀になってからであるらしい。日本の上代伝承も例外ではなく,よって解釈にあたっては「耳で聞いたときの感じ」に十分注意しなければならない。
しかし,日本の上代伝承において一番重要なことは,「日本語自体が原始的であった時代に作られた」ということである。そのため,音の近さが則ち意味の近さとなり,現代人にとって理解できない連想が繰り出されるのである。
(このような考察は,大陸から孤立しており,文字の伝承が比較的遅く,更に原始言語時代の書物が散逸しなかった日本においてのみ可能な議論なのかもしれない。『線文字』の時代の伝承が残っているとは考えにくい。)
この本は,原始言語の時代に特有の,この種の連想に主眼を置いている。現代日本語の原型を見ていく,浪漫に満ちた小旅行である。
ただし,著者の議論には幾分納得できない点が残る。3割ぐらいはこじつけのように感じられた。まぁこれは僕が理学をやっているからで,実際上はこの程度の不確かさは許容せねばならないのだろうが。また,実際に自分でこの種の考察をしようとすると,我々が日本語を良く知っているが故に,無理矢理のこじつけになってしまうだろう。
Professionalにしか出来ない華麗な浪漫飛行である。非常に面白かった。
読了。2009年8月。帰省する電車の中。
2009/08/08 14:05:06
東京大学総合図書館











